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新たな時代を切り開く、その勇気に感服しました。
柚木麻子(小説家)
それそれ! いるいる! あるある! と今の社会を凝固させたような台詞と人物たちの秀逸さよ。
映画は現実よりも、少しだけあたたかくて、希望があって、いつかこれがまるで時代劇に見えるような未来が来たらいい。
手を握り合うような、この映画を作ってくれてありがとう。
小林エリカ(作家・マンガ家)
#MeTooムーブメントの前にも後にも、必死の思いで性被害を告発してきた女性たちがいて、安心できる場所をつくろうと力を注いできた人たちがいる。
これまでその声が聴かれなかった、あるいは誰が見なくても希望を捨てずにやってきたその人たちに連なるような作品を、若い監督や脚本家、出演者、スタッフのみなさんが今つくったことを応援したいし、ともにありたい。
松尾亜紀子(編集者、エトセトラブックス代表)
どれだけ多くの女性たちが泣き寝入りし、自分を責めてきたのだろう。
だけど、たったひとりの勇気が別の人の勇気を呼び起こす。
私たちにできることは、声を上げた人たちを孤立させないことだ。
浜田敬子(ジャーナリスト)
『ブルーイマジン』は、性暴力被害のあとの嵐をひとりきりでやりすごし、
なんとか生き延びた女性たちの「その後」の物語なのだと思う。
手を取り合うしかないのだ。手を取り合わないと、生きていけないのだから。
この作品は、徹頭徹尾リアルだ。
瀧波ユカリ(漫画家)
松林うららの初監督作品は、監督自身の体験をもとに、日本のみならず世界のエンターテインメント業界の裏側を大胆不敵にえぐった。これは単なる映画ではなく、映画界に携わるすべての人への公開宣言であり、個人的な日記のようなものだ。
ナワポン・タムロンラタナリット(映画監督)
映画界の性被害、女性たちの国境を超えた連帯というアクチュアルなテーマを扱いながら、映画のなかに爽快な風が吹き抜けている。
権力を傘に着て弱きものの「朱」を奪う男たちに立ち向かい、彼女たちはしなやかに朱を奪い返す。
松林麗は、悪をぶった斬る『必殺仕掛人』をアニエス・ヴァルダの筆致で撮った。繊細にして威風堂々たるデビュー作だ。
伊藤彰彦(映画史家)
苦しい。
次の場面でもまた苦しめられるのではないかというその緊張が、映画の緊張そのものにもなる。それでもなんとか果たされようとする抵抗や連帯も含めて、映画とは、問いを伝える以上にみなが自分として問いに(またはこの世界に)向き合える場を設えることなのだと再認識させられた。いま見られたことを喜びたい。
山本浩貴(いぬのせなか座)
「わたしは傷ついた」という声に耳を傾けることから全ては始まる。
この物語は耳を傾けてくれる場所探しの物語なのではないか。
全ての人たちが、心と共に耳を傾けてくれる人がいる社会にならないといけないと思う。そのための想像力に満ちた作品だと感じました。
中川龍太郎(映画監督)